紙を染める

紙を染める

布を染めた柿渋が少しだけ残ったので、久しぶりに紙を染めてみました。
使ったのはネパールの手漉紙です。原料の植物はわかりませんが
長く太い繊維も多く含まれており凹凸があります。
紙をそのまま柿渋の中に浸したりハケで塗ってもいいのですが
シワと濃淡をつけるのでまず紙をクシャクシャと丸めます。
伸ばしたままの紙を柿渋の中に入れてから
丸めるのはやりにくいので、はじめから丸めたほうがいいみたいです。
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その状態で柿渋の中に入れます。柿渋は原液のままでも水で薄めても
どちらでも構いません。仕上がりの色と硬さに違いが出ますから
お好みですね。
全体に柿渋が染み込んだらしっかり絞ります。
紙の白い部分を残したかったら、丸めた紙の握り具合を強くして
染み込みを加減します。
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絞って丸めた状態から重なりを所々残しながら少しずつ広げていきます。
広げたら軽く手で押して干します。お天気もいい日なら朝干してお昼頃
にはしっかり乾きます。薄めた柿渋を使ってやはりもっと濃くしたいという時は
もう一度柿渋を入れます。紙を広げずにハケで塗ってもいいですし、広げて
全体に染み込ませてもいいでしょう。
染め上げる時間や日数はどれだけとは決められません。長く干せば干す程
濃淡がクッキリします。まずは乾いたらそれでOKですね。
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重なって硬くなっている部分が伸ばしにくいので、水(薄めた
柿渋液でもいいです)に紙をサッと浸けて取り出し、絞ったらゆっくりと
広げていき乾燥させて出来上がりです。
当然のことながら出来上がりは硬くなっています。手で揉むのを何回か
繰り返していくとこなれて柔らかさが生まれますし、手元にあった紙は
経年変化で驚くほど柔らかくなりました。
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敷物として使ったり物を包んだり、封筒などの袋に仕上げたり色々な
使い方ができます。袋にする時は糊付けもいいですが、ミシンで縫うと
縫い目がアクセントになって素敵に仕上がりますよ。

古来より建材や竹かご、一閑張り、網などに塗られ柿渋の効果である腐食
防水、硬化が生活の中で生かされていました。現在ではお洋服やバッグの
柿渋染めを一番目にするところですが、日常の「紙」を柿渋で染めたものを
使うのも少し目先が変わっていいかもしれませんね。和紙、手漉紙にこだわらず
新聞紙やプリントされた包装紙を染めるのもお薦めです。

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