伊那谷暮らし 日々のこと Vol.5

例年よりも早く甲信地方の梅雨明けの報せを受けて始まった7月。三河のじっとりとした蒸し暑い梅雨には程遠い「これが梅雨?」と感じた時期だった。しばらく続いた晴れの後に一週間降り続いた雨。地元の人達も驚くほどの降り方で、下の地区には避難勧告が出されたが幸いにも居住地区は何事もなく過ぎた。

夏野菜の収穫が始まり、町から来た衆は(私達)野菜が無いだろうという心配りと、食べきれないほど収穫があるから、という理由でナス、キュウリ、トマト、モロッコインゲン、アキシマササゲ、ヒラササゲ…(さやを食べる豆だけでもたくさんの種類) 我が家でも食べきれないほどの野菜が集まりだした。  時折我が家に来て野菜の具合を見てくれる人達ばかり、なのにたくさん運んで下さる。ご近所同士、作っていない野菜が行き来して分かち合い助け合いの精神だ。

(一週間の長雨の後に三日間干した梅)

頂くか、収穫するかで毎日台所にあるナス、インゲン、ピーマン、玉ねぎでこしらえる炒め物は週に3~4回登場する。飽きないように和風の味付けや、ナンプラーを使ってみたりカレーパウダーを加えたりしてアレンジ。我が家のピーマンもナスもプロフェッショナル作に引けを取らず美味しい。ピーマンひとつを「いただきますね」と、採る時の充実感これは今まで味わったことのない幸せだ。
(採れたて 我が家産)

(ひんやりした土が気持ちいいから?ピーマンとパプリカの間で寛ぐちい君)

7月も終わりに近づいた頃、夫がゴミ出しに下の神社まで歩いていく途中、カボチャのかけらを見つけた。その日の午前中、下の池上さんの畑の背にある山が長い時間お猿さんが飛び交い賑やかだった。「カボチャのかけらはサルの食べ残しだね」じゃあ、誰の畑のだ?「そりゃあ神社の向かいの宮脇さんでしょ。きれいに草取ってあってカボチャここですってわかるから」夕方、ナスのお漬け物持って来てくれた百合子さんにその話をすると、20匹くらいの群れが上のカボチャ畑で食べていたと教えてくれた。以前、小ぶりのカボチャを両脇に抱えて走っていくおサルを見たとか。あまり大きいのは重いので?持ち帰る時は小ぶりを選ぶらしい。
翌日、池上さんのご主人が「大きくなり過ぎたけど」と直径30センチもあるキャベツを抱えて来てくれ、有り難く頂戴した後昨日のおサルの騒ぎを話すと、「午前中一度追い払ったんだけど午後行ってみたらナス、キュウリ、トマト全部食べられたよ。だからキャベツしか持ってこれなんだ。」とニコニコしながら話された。まだ小さな実まで全部お腹に入れたそうだ。池上さんのご主人は体の具合が良くない事や畑仕事が滞る事を話される時もニコニコしていた。決して愚痴るようには聴こえない。いつも同じトーン、口調そして笑顔。
頂いたキャベツはしっかりとした巻きで、しかも柔らかく甘く池上さんのお人柄が心に染み込んだ。千切りキャベツ、ザク切りにしてズッキーニ、トマトを足してグリル、塩麹で揉んで浅漬け風にとしばらくキャベツデーが続く。

(ブラックベリーを植樹)

31日、上の下平さん(一番ご近所)が採りたてのトウモロコシを持って来てくださった。5月に「トウモロコシは持って来てあげるから作らなくていいよ。」と言われ馬鹿正直に作らずにいた。(作る余裕もスペースもなかったが) 水から入れて沸騰して4分。言われる通りに茹で上げ夫と初トウモロコシ。驚くほどジューシーで甘い!普通にこんなに美味しいのが出来るとは言え、農家に嫁いで50数年の保子さん、さすがだ。
重なる時は重なるもので、夕方、班長の池上節子さんが地区の知らせを持って来ながらトウモロコシのお土産! 「嬉しい!ご馳走になります。」と有り難く頂戴した。節子さんのトウモロコシも甘く美味しかったのは言うまでもない。

(西尾から連れてきた紫陽花が春先の霜に耐えて開花)

我が家の野菜もキュウリは毎日2本ほど、ピーマンが数個、華奢ではあるがズッキーニは週に1本収穫できており、ジャガイモも少しばかり収穫した。カボチャは3本の苗に収穫に向かっているのが7個草むらに隠れている。あちこちから頂くばかりで、ある時百合子さんに「キュウリとピーマン持って行く?」と言ったら「あるよ。」と笑われた。
素材でお返しは無理、ということでお漬け物やちりめんと山椒の佃煮、調理したものをお届けするようにしている。キャベツやトウモロコシのお返しに花豆を炊いて3軒にお届けし、美味しく戴いたことをお伝えすると、そんなに美味しく食べてもらえたならと、またまたお土産付きで帰ることになってしまった。
男爵、インカの目覚め、ムラサキ色のメークイン、追加のトウモロコシ等々。我が家の納屋、味噌蔵は野菜でいっぱいになりそうだ。


駒ヶ根市街地も35度~37度になることがあり、ここ大曽倉でも日なたでは32度という日もあるが早朝は16度~17度、夕方になれば山からひんやりした風が降りてくる。7月中扇風機をかけたのは数回程度だった。夏も終わりに近づくと涼しくなった、ではなく一気に寒くなるのだとか。
半年、一年と染めた布を寝かせておきたくて出展の際に布で提供するのや、今シーズン使う分に加えて一枚でも多く染め貯めようと動いている。8月下旬からはギャラリーの企画展スタート。9月初めには駒ヶ根高原でもみじクラフトが控えている。どんな作品の展開になるか自分でも楽しみだ。

追伸   各畑で食べ放題してからおサルの騒ぎが聞こえない….
(今夜の食材。手前のボタンコショウはコショウ味噌用に刻んで冷凍)

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