3月22日、駒ヶ根市に移り住んでからひと月が過ぎた。あの日雪の積もった庭、家の前の山の様はすっかり変わって大好きな芽吹きの時となった。
むか〜し、うんと若い頃春が嫌いだった。陽気が良くなり桜が咲き、モノトーンだった景色が色をつけ始めるのが。
何が「春だね!」なんだ、ちっとも楽しくなく憂鬱。随分とひねくれていたと思う。今もそのケはあるような…。でもいつの頃からか、春が好きになり日に日に色づいて行く樹々を眺め、触れると身体中にエネルギーが注がれる感覚を覚えるようになった。


駒ヶ根市中沢地区のここ大曾倉は駒ヶ根市の一番山奥で、車も集落の住民が行き来するくらいで頻繁な車の往来はない。街灯も無く夜は真っ暗。キジやウグイスの声を聴く朝、外でコーヒーを飲みながら山を眺めたり、庭の様子を伺ったり、今日の草取りのエリアを決めたりが日課となった。
日々、様変わりしていく山の景色はどれだけ眺めていても飽きることがなく、草取りのエリアが決まるともう考えることをせずにボーッとしていられるのが何よりも心地よい。大きな力。畏敬の念。掌を合わせる。

自宅前の田んぼに田植えの準備でトラクターが入った。この田んぼは下の家、池上さんが管理しているのだがご主人は病院を退院後療養中の身。染め物の干し場で作業しながら見ていたら、トラクターを運転しているのは別の人で池上さんは畦で見ておられた。首から胸部をガードするコルセットを着けて身動き不自由な姿。「おはようございます。具合いはいかがですか?」と声をかける状態を話して下さった。
田んぼは一部だけ。コンニャク芋の植え付けも今年は難しいらしい。季節、時は待っていてはくれない中で、当然の事だが出来ない状況に合わせて作業していけば良いのだ。知恵を絞り、策を練るよりも手放す選択に勇気と賢さがある。池上さんの笑顔が素敵だった。

先日、愛知県の友人が遊びに来てくれた。お土産に頂いたのが産みたての卵60個!
日持ちがするとは言え、さすがの多さにご近所さんに手伝っていただこうと久しぶり伺うお宅、また来たよ、のお宅9軒に配達。
滝沢さんにほうれん草を頂き、春日さんからはシイタケを(シイタケの生産者さん) もう一軒の春日さんからは「タラの芽採ってく?アサツキも掘って根っこごと持ってったら?」と。もう一軒の春日さんには「おっ!似合うね」とエプロン、長靴、麦藁帽子スタイルを褒めていただき、下平さんには裏山で掘った筍を頂戴した。この集落は春日さん、下平さん、池上さんがが殆どを占めている。
遊びに来てくれた友人と行った柏屋さん(加島祥造さん宅が見える美味しいお蕎麦屋さん)ではコシアブラ(山菜)を入れたかき揚げが香り良く「美味しいですね。」と言ったら奥さんが「だいぶ伸びたものだけど」と言ってコシアブラを持たせて下さった。

夫が愛知県に行っているのでタラの芽とコシアブラは夫が帰宅したら天ぷらにしてお蕎麦と一緒に戴こう。今夜は春日さん作のシイタケとコンニャク名人の滝沢さんのコンニャク、下平さんの筍とトウブキで煮物。ほうれん草はおひたし、生をちぎり自宅の山ウドを採ってきて合わせてサラダにしよう。
豊かで季節のエネルギー溢れる食卓。季節のものを戴いていれば体はシャンとするのを感じる。あれこれなくても住まう地で採れるものを口にしていれば良いのだと思う。

ちいがコヒガンザクラの3m程の幹を一気に登った。枝の位置を変えては辺りを伺っていた。そう言えば、チーターという木登りが得意な親戚さんがいたね。何が見え何が聴こえているんだろう。毎日外の探検、見回りに出かけ山の暮らしをそれなりに楽しんでいるようだ。ネコは環境の変化に敏感だと聞いていたので実はこの事が一番の気がかりだった。
昨日、走ってきたちいが口から泡をふいていた。拭いても拭いても次々出てくるが体は痙攣しておらず、スポイトで水を入れ口の中を洗った。他に異変が見られなかったので暫く様子を見ていたらなんとかおさまっていった。
翌日、夫が10センチ程の死んでいるヤマカカシの子どもを見つけて「ちいがちょっかい出したのかな?昨日の症状もそのせいかもしれないな」と言った。小さい頃からヒモで遊ばせる事が多かったから…。ちい、ごめんね。遊び道具ボールにすればよかったね。


5月に入った。産直やホームセンター園芸コーナーの野菜や花の苗を求めに大勢の人が訪れている。天竜川近くにある産直でキュウリの苗を3本とボタンコショウの苗を2本買って来た。キュウリは「接ぎ木だから強いよ。」と店長さんが説明して下さり、素人でも出来そうな気になってしまった。敷地下の畑予定地の開墾が間に合わなく、母屋前の庭は花壇として整えるつもりがだんだんと野菜が増えだした。
母は長く園芸の仕事をしており、辞めてからも庭の草取りが好きな人だった。心不全を患い歩行が不自由になって草取りも思うように出来なくなり、でも私は率先して草取りをした事がなかった。そんな私が毎朝庭の様子を見ては草取りをしている。

母のしたかった思いが私の中に入り込んだのか、微笑む母の姿が浮かんでくる。
「一緒に庭仕事したかったな。一緒に山の景色見たかったな。時々手入れの仕方教えてね..」心の中で母に伝えた。


久しぶりのブログ、一気に思いが溢れ感動して読みました。
届いた転居のお便りはまるで桃源郷でした。
目には見えなくても、たくさんのチカラが貴方を後押ししてくれているのですね!
美味しい空気をご馳走していただきます。
再会を楽しみにしています。
響子ちゃん、早速のコメントありがとう〜❣️
深呼吸しにいらっしゃいな。両手広げてお出迎えしますよ。
ずっとfb見させていただいてました、。本当に素敵なところですね。作品とご出店も気になっていました。クラフティア杜の市、行きます。
みとえさん こんにちは。
face bookご覧下さりありがとうございます。出展の機会も多くなり忙しくなってきますね。
近々はどちらへ? 駒ケ根いらっしゃいますか⁉︎ お会いできるのを楽しみにしていますね。