伊那谷暮らし 日々のこと Vol. 2

滝沢さんから電話がかかってきて 「トウブキ採りに行くかい?」「行く〜!」と即答。
カマを持ってお迎えに来てくれた車に乗って いざ! 車で走ってる時、道の法面にいっぱいフキが自生している場所を見ており以前から気になっていた場所だった。背の高いものは1m程、茎の太さは5cmあるフキに埋もれ、踏ん張りながら「いただきま〜す」と言いながらカマで切り取って行く。生きていくというのはこういう時にも感じられる。

朝3時からコンニャクを作り、ワラビやフキを採り、育てた野菜を猿や鹿、イノシシに食べられ、動物避けのバクチクを鳴らし日々過ごしている滝沢さんはおおらかで逞しい。
「また一緒に来ようね!」と言ったら「ここは誰が採っても何も言われないから、いつでも行きな。」と言われた。で、6日後「フキ採りに行くかい?」と電話が。
もちろん「行く!」で前回同様カマ持ってスタンバイ。この朝雨が降っており車から降りて来た滝沢さんは私用にわざわざ上下別々のカッパを持って来て下さった。「旦那にこの前フキ採りに行った時、これからはいつでも行きなって言ったのを話したら、おまえ冷てえなって言うんだよ。」とカッパのズボンをはく私の支えになりながら滝沢さんが笑いながら話してくれた。「お父さん大好き〜」と私も大笑い。本当に素敵な人だ。


天気予報で明日の朝最低気温5度、霜に注意とも。市街地が5度だとここは2〜3度になる。植えたキュウリやボタンコショウ、ズッキーニにシートや袋を被せ夜を過ごさせることにした。5月になり暖かくなってきて愛知県にいた頃の季節感から一気にポカポカ陽気になるような気になっていた。そう言えば、まだ朝晩コタツやストーブが活躍している。お布団も冬仕様だった。しみじみとここ大曽倉を感じた。
2日間の雨が上がり、またまた草取り。草取りというよりスギナ刈りと言いたくなるほどスギナの繁殖が凄い。「他の植物には害がなくスギナだけに効く除草剤作ったらノーベル賞もんだね。」とホームセンターの人が言ってったけ。強力な除草剤もその年は効果出ても翌年の春にはまた…。皆、スギナに手を焼いている。上の家の池上さんから採った草は場所を決めて山積みにして2年も経てば良い腐葉土になるし、置いた所の草はそんなに伸びないから、と教えを受けた。なるほど! もうひとつ「キュウリもトマトも植えるのは5月中旬過ぎ、買ってきた苗は一週間程置いておき慣れさせるの。秋に収穫したキャベツは上下逆さまにして土の中に埋めておくんだよ。ここは長いこと雪が積もりはしないけど凍みる時期が長いから土に埋めてキャベツを甘くさせるの。」雪中キャベツならぬ凍土キャベツだ。凄い!寒暖の差が大きいのでカボチャ、トマトはとても甘くなるそうだ。5月中旬過ぎたらトマト、カボチャ、キャベツを植えよう。

(ツバメさんが毎日飛んでくる。巣作り始まるかな?)

ここ一週間、毎日タケノコ、コンニャク、フキが食卓に並ぶ。(私が料理して並べているのだが。)山ウドは夏まで脇芽を天ぷらでいただけるので採るのは週に2日ほどにしている。
これ程タケノコ、フキを食べた春はこれまで無かった。絶対無かった。さすがに煮物だけでは飽きてしまうのでタケノコは薄く切って焦げ目がつくほどに炒め、味醂とだし醤油甘糀で味を整え、すり胡麻をたっぷり入れてきんぴら風に。味付けを変えてカレーパウダーを入れたり、ナンプラーにしたり。フキは山形県の友人直伝の白和えにしてみた。ねり胡麻とフキの香りがアクセントで美味。フキノトウでこしらえる代わりに輪切りにしたのでフキ味噌を。このフキ味噌は使える!常備菜にしよう。
こちらに来て夫も私も体重が2キロ程減少した。傾斜地を動き回ることが多くこれまでに無い筋肉の使い方と量のおかげと食生活も? そういえばこのところ動物性たんぱく質の提供が極端に少ない事に気がついた。かと言って二人ともヘロヘロかと言えばそんな事は無くいたって元気。私は2月からお肉を食べなくなって以来すこぶる良好。(動物性タンパク質摂取については諸説色々なので良し悪しは個人の選択という事で。)
(葉っぱが出るまでわからなかったクルミと大てまり)
自宅から200m程登った田んぼの畦にワラビがたくさん出ていると聞き一人で登って行った。春からは絶対に一人で山に入らないと言った滝沢さんの言葉が浮かんだ。クマが出てくるからだ。ここは山でなく田んぼだから…とは言え山に囲まれた中にあるわけで。

で、次に30年鉄砲撃ちをしていた叔父(ここよりもっと山深い小谷村に住む母の弟)から聞いた話を思い出した。「何度も熊の間近になったけれど一度も襲われた事はないよ。やたらに怖がって動いちゃいけないんだ。クマは人の声を聴くと避けるから独り言でもいいから声出してるんだ。」そうか、声を聴かせよう。でワラビは?というとたくさんは無く摘めるのは数本だったので摘まずにおいた。でも、行き帰りの畦の傍に大きな 山山椒と栗の木を見つけ幸せな気分になって戻った。

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